コンサルってなんか、大変だけどやりがいがあって給料も高いって聞くから転職しようかなと考えている。
でも、しょうじき仕事内容がよくわかんないんだよね。。。
こんな悩みに答えます。
本記事の内容
本記事を書いている私は新卒でコンサルファームに入社し今年で5年目です。
総合ファームに所属していたこともあり、これまで、戦略系・業務系・IT系と幅広い案件を担当してきました。
今でこそコンサルワークの記事が書けるくらいにはなりましたが、入社する前は正直言うと仕事内容がわかっていませんでした。
説明会とかだとできるだけかっこよく見せるために具体的な仕事内容をあまり教えてくれませんからね・・・
そこで本記事では、コンサルファームへの転職を考えている方向けに、実際にコンサルタントとして働いている私がコンサルの仕事内容を解説します。
できるだけ具体的に書きますので、ぜひ転職活動の参考にしてください。
目次
コンサルタントの仕事内容
コンサルファームの仕事は下記3種類あります。
それぞれ解説します。
コンサルの仕事内容①デリバリー
お客さんからお金をもらって行ういわゆる“プロジェクト”のことです。
他に、案件とかケースとか言います。
コンサルワークと言えば基本的にデリバリー業務を指します。
ハードワークで死にそうになるのもこのデリバリー業務です(笑)
なお、プロジェクトに配属されていない状態をアベイラブルと言いますが、その時はほんとに暇です(笑)
その時の働き方は、以下の【実録】実は暇!?コンサルが暇な時の働き方で解説していますので、詳細が気になる方はチェックしてください。
コンサルの仕事内容②プレ・営業活動
お客さんとプロジェクトの契約をする前の営業活動です。
コンサルファームでは、営業活動は基本的にパートナーやプリンシパルと呼ばれる職位の高い方がメインで担当します。
ただ、その営業活動で使用する情報や資料は若手が作成する場合が多いです。
コンサルの仕事内容③社内業務
コンサルファームと言えども一つの会社ですので、社内業務が発生します。
例えば下記です。
- 自身のチームやグループの定例会
- 採用のお手伝い
- コンサルサービスの開発
あとは書くまでもありませんが、交通費精算や年末調整に伴う手続きなどのもろもろの事務処理も発生します。
コンサルティングの案件タイプごとの仕事内容と具体例
続いて前章のうち、コンサルワークのメインであるデリバリー業務について詳しく解説します。
※他にもM&A案件や人事系案件など、機能特化の案件もありますが、私が経験しておらず一般論しか書けないので、本記事では解説はしません。気になる方はぜひググってください。
戦略コンサル案件の仕事内容と具体例
コンサルファームの仕事と言えば、一番イメージが強いのが戦略案件かと思います。
お客さんの会社全体の戦略を立てたり、ある特定事業や機能の戦略を立てたりする案件です。
私はこれまでに下記などの悩みを抱えているお客さんに対する戦略プロジェクトを担当してきました。
- ビッグデータを活用して売上を伸ばしたいが何をしたらよいかわからないので、一緒に考えてほしい
- はやりのデジタルトランスフォーメーションに対応できるようなIT組織戦略を決めたい
このような相談に対応するのが戦略案件です。
なお、私は全社戦略などは担当したことがありませんので、詳細はわかりかねますが、似たようなレベルの相談が来るのだと思います。
また、業務系やIT系の案件も担当した身として、戦略案件の仕事内容として特徴的だなと思うのは、リサーチの割合が高いことです。
ここでいうリサーチとはお客さんの社内情報以外を収集する行為のことです。
リサーチツールや社内外のエキスパートインタビューを通じて、必要な情報を集めます。
際限なく情報収集できてしまうので、特に若手の頃にリサーチスキルが低いと、気づいたら夜の10時なんてこともあります。
業務コンサル案件の仕事内容と具体例
続いていわゆる業務改革といわれるものを支援するコンサル案件です。
BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)と呼ばれることもあります。
私が主に担当してきたコンサル案件です。
例えば、こんな悩みを解決するプロジェクトです。
- 働き方改革で残業時間を減らしたいが、売上も継続して伸ばしたい。仕事のやり方を見直して、残業を減らしつつ売上を伸ばしたい。
- 新規事業を始めたが、業務のやり方がうまくいっていないようで、よく炎上してしまっている。そこで、業務のやり方を見直し、新規事業を黒字化したい。
業務系案件の特徴は、対象業務の方へのヒアリングが多いことです。
対象業務の問題点や改善方法は、その業務を担当している方が最も詳しいからです。
また、改善後の新業務を担当するのも対象業務の担当者です。
そのため、担当者も巻き込んで納得感のある改善策を考える必要があります。
このような理由で、業務改革系の案件は、戦略系案件などが経営企画室などコーポレート系の方とやり取りが多いのと比較し、対象業務の方とのヒアリングが増えます。
なお、業務コンサルで身につくスキル・年収や一日のスケジュールなどは【現役コンサルが語る】業務コンサルの仕事内容とリアルな1日で解説していますので、チェックしてみてください。
特にコンサル未経験の方は一日のスケジュールを確認した上で、ほんとにコンサルに行きたいか考えた方が良いと思います。
ITコンサル案件の仕事内容と具体例
最後にIT系案件です。
お客さんのシステム要件定義やシステム開発などを支援します。
他に、ITガバナンスを効かせるためのルール作りなどもIT系案件に入れる場合もあります。
私は例えば過去にこんな案件を担当してきました。
- システム開発でよく炎上してしまうので、フェーズゲート管理を強化したい。フェーズゲートをどんなタイミングで入れて、どんな項目をチェックすればよいかを決めたい。
- 管理会計システムを導入する。規模が大きく、社内の人材だけでは日々発生する課題をさばききれないので、サポートしてほしい。
IT系案件の特徴は、PMOとしての実行支援が多いことです。
PMOとは「プロジェクト・マネジメント・オフィス」の略で、プロジェクトの課題管理や進捗管理などを担当します。
上に書いたうちの二例目がまさにPMO案件です。
課題管理や進捗管理くらいなら簡単そう!と思うかもしれませんが、そう簡単ではありません
(簡単ならコンサルに頼まずお客さん側でできちゃいます)
規模が大きくなると、日々何かしらのトラブルが発生しますからね。
実際、私は、PMOとしてIT系の炎上案件にアサインされて、月200時間近くの残業が発生し、ウツになりかけました。
その時の話は、【実話】ITコンサル炎上案件に入った話【うつになりかけた】に書いていますので、IT系の案件がどれだけつらいかは、読むとわかります
コンサルタントの仕事の進め方
コンサルの仕事の進め方も知っておくと仕事内容の理解が深まります。
仕事の進め方は、以下のいずれに該当する案件なのかによって異なります。
(もちろん、細かくみれば全ての案件で進め方が異なります)
通常のコンサル案件の進め方
いわゆる課題解決の進め方で案件が進みます。
具体的には下記です。
- プロジェクト方針の決定
- 現状の調査
- 問題の整理
- 課題の整理
- 解決策の決定
- 解決策の実行計画の作成
「目標を決めて現状とのギャップを洗い出した後、ギャップを解消する方法を決めて、実行する」という進め方ですね。
現状の調査、問題・課題の整理、解決策の決定は、既に解説したように、戦略系であれば、リサーチ中心で進めていきます。
(もちろん、お客さんへのヒアリングなども行います)
業務系であれば、現状の調査、問題・課題の整理は、お客さん内の業務担当者へのヒアリングを中心に進めていきます。
解決策の決定の際は、リサーチの比率が増えます。
IT系(PMO除く)の場合は、どちらかというと業務系に近いイメージです。
PMO案件の進め方
PMO案件の場合は、進め方を理解しても、コンサルの仕事内容への理解はあまり深まらないかもしれません。
案件の進みに関わらず、PMOとして行う仕事内容はほぼ同一だからです。
例えば、システム開発案件は、ざっくり下記のように進みます。
- 基本設計
- 詳細設計
- 開発
- 単体テスト
- 結合テスト
ただ、これはあくまでシステム開発を担当するベンダー側の進め方であり、PMO側はこれを管理する仕事になります。
上記の各フェーズで以下のような管理業務を担当します。
(ちょっと粒度がバラバラですが、イメージしやすいように列挙します)
- 進捗管理
- 課題・リスク管理
- プロジェクトチーム間調整
- プロジェクトチームと社内関連部門間の調整
- 各種定例会の運営
- 上位職位向け報告の運営
このようにPMO案件では、プロジェクトの内容や進め方に関わらず上記のような管理業務を担当します。
若手コンサルや未経験者の担当する仕事内容
このような進め方をする中で、若手や未経験者は、基本的に手を動かす業務をこなします。
具体的には下記です。
- 各種のヒアリングやリサーチ
- 入手したデータの分析作業
- 会議資料や議事録の作成
- 会議日程の調整や会議の準備(資料の印刷、会議場所の設営など)
- (PMOの場合)課題管理表や進捗管理表の更新 など
分析や会議資料の方向性などは、マネージャーなど上の職位の方が行う場合が多いです。
若手のうちは、マネージャーの必要な情報の収集・整理や、プロジェクトが円滑に進むように裏方仕事を行うイメージですね。
コンサルの仕事内容をこなす上で必要なスキルと知識
コンサルの仕事をこなす上で必要なスキルと知識をそれぞれ解説します。
コンサルの仕事内容をこなす上で必要なスキル
下記です。
- リサーチスキル
- ヒアリングスキル
- 論理的思考力
- データ分析スキル
- 資料作成スキル
- プレゼンテーションスキル
- ファシリテーションスキル
- プロジェクトマネジメントスキル
- コミュニケーションスキル
- キャッチアップスキル など
【身に付けて損なし】コンサルスキル一覧【その後のキャリアも解説】
補足までに、これらはコンサルに転職する際に必須というわけではありません。
ただし、コンサル業務を行う上での基礎スキルに該当しますので、これらのスキルが低いと最初のうちは苦労(長時間残業など)が多くなります。
ですので、案件をこなしながら鍛えていく必要があります。
コンサルの仕事内容をこなす上で必要な知識
コンサルに必要な知識は下記です。
- コンサル案件の進め方や標準的なアウトプット
- 担当案件の業界・業務にありがちな問題や課題、最新の解決策
もちろん、案件によっては、類似業界のトレンドやファイナンスや経営理論の深い知識など、他の知識の必要になってきます。
ただ、個人的な意見としては、上記さえ理解しておければ60点は出せるかなと思います(笑)
あと、こういった知識系は、最初のうちはパートナーやマネージャーなどの上位職位の人が補ってくれますし、ファーム内にその業界・業務の専門家がいると思うので、その方に聞いたらOKです。
コンサルの仕事内容をこなすことで得られる年収とその後のキャリア
年収もキャリアも基本は所属しているコンサルファーム次第です。
年収とキャリアそれぞれについて具体的に解説します。
コンサルの年収
年収は、基本的には所属しているファームの年収体系によります。
戦略コンサルの年収が高いと言われているのは、戦略系ファームの年収が高いからです。
同じファーム内で担当する案件タイプによって年収が変わることはあまりないです。
(ただ総合系ファームとかだと、戦略案件を担当する部隊の方が給料が高い、みたいな噂を聞いたことはあります)
例えば、戦略ファームで業務コンサル案件を担当している人は、戦略ファームの年収体系ですし、総合ファームでITコンサル案件を担当している人は、総合ファームの年収体系です。
具体的な年収を、ムービンさんのサイトから引用しました。
外資系戦略コンサルティングファームの役職と年収水準
役職 年齢 コンサル経験 固定給与 業績賞与 アナリスト 22~28歳 0~3年 500~800万円 固定給の20% コンサルタント 25~35歳 0~6年 900~1300万円 固定給の20% マネージャー 28~40歳 2~10年 1400~2000万円 固定給の30% プリンシパル 32~45歳 5~15年 1700~2500万円 固定給の30% パートナー 35歳以上 7年以上 2500万円以上 業績次第
総合系/IT系コンサルティングファームの役職と年収水準
役職 年齢 コンサル経験 固定給与 業績賞与 コンサルタント 22~30歳 0~3年 500~700万円 固定給の10~20% シニアコンサルタント 25~35歳 0~6年 700~900万円 固定給の10~20% マネージャー 28~40歳 2~10年 900~1400万円 固定給の10~20% シニアマネージャー 32~45歳 5~15年 1300~1800万円 固定給の10~20% パートナー 35歳以上 7年以上 2000万円以上 業績次第
コンサルのその後のキャリア
もちろんファームによりますが、だいたい以下の傾向があります。
若手コンサル
他のコンサルファームに転職する人が多い。
その際は、IT⇒戦略など、他のコンサル領域に行く人もいる。
経験年数が長いコンサル(10年以上~)
自分の得意領域でそのままコンサルファームのパートナーを目指す人と事業会社の良い役職に転職する人が多い。
事業会社に転職する人は、事業会社の企画系部署のトップやトップ近くに転職する人が多い。
また、戦略ファーム出身者だと、事業会社の取締役クラスに転職する場合もある。
あとは最近だと起業する人やスタートアップに転職する人も増えてきましたが、感覚値ですがまだまだ少ないかと思います。
コンサルの仕事内容はつまらない!?
これまで説明してきたように、コンサル案件は戦略・業務・ITによらず、抽象度の高い上流の相談をさばいていきます。
その分、ハードワークになりやすいですが、やりがいもあり、年収も高い仕事です。
しかし、人によっては「コンサルなんて所詮は高級派遣だしたいして面白くもない」と言う人もいます。
所詮はサービス業ですからね。気持ちはわかります。
実際私もコンサルの仕事がつまらないと思う時がありました。
例えば下記などです。
- あまり意味を感じられなくても、顧客の意見に合わせた作業を行わなければならない時
- 会議資料において日本語やデザインに必要以上にこだわらなければならない時
- コンサルは提言するだけで意思決定はできないと感じる時
- 上司と議論する際、非論理的であっても、上下関係のパワーで意思決定されてしまう時
参考:【転職失敗を回避】コンサルの仕事はつまらない?【現役コンサルが語る】
その一方で、やはりやりがいが大きいのも事実。
下記などができたときは大きな達成感とやりがいがあります。
- 調査・分析時に知らないことを知れた時やしびれる示唆を導いた時
- 自身の想定した流れ通りに会議を進められた時
- お客さんに心のこもったありがとうを言ってもらえた時
- できるかどうかわからない仕事に挑戦して何とか実行できた時
もちろん人によるとは思いますが、これだけ達成感を感じられる仕事は、自分で起業する以外になかなかないと思います。
起業ほどのリスクを取ることなく大きな達成感を得られるコンサルワーク。
もし今、転職を迷われているなら、ぜひ一度挑戦することをオススメします。
コンサルの仕事内容を理解した上で転職活動を行おう
以上、いかがでしたでしょうか!?
本記事を読んでコンサルへの転職に興味がわいた方は早速転職活動を開始しましょう!
コンサル転職の最初のステップは、転職エージェントに登録することです。
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