【現役コンサルが語る】業務コンサルの仕事内容とリアルな1日

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【現役コンサルが語る】業務コンサルの仕事内容とリアルな1日
コンサルへの転職を考えている人
コンサルへの転職を考えている人

コンサルの分類に業務コンサルってのがあると思うけど、どんなコンサルなの?具体的な案件内容が知りたい!

こんな疑問に答えます。

本記事の内容

本記事を書いている私は、コンサルファームに入社して今年で5年目です。

一時期は業務改革を中心に行うチームに配属されており、業務コンサル案件を数多く担当してきました。

こんな私が業務改革コンサルについて解説します。
ぜひコンサルファームへの転職を考える際の参考にしてください。

業務コンサルの仕事内容

業務コンサルの仕事内容

業務コンサルの仕事内容は、その名の通り、お客さんの業務を改善する仕事です。
と言っても、よくわからないと思います(笑)

お客さんがコンサルファームに以下のような相談を持ってきた時は、基本的に業務改革案件になります。

  • 新規事業を始めたが、業務のやり方がうまくいっていないようで、よく炎上してしまっている。そこで、業務のやり方を見直し、新規事業を黒字化したい。
  • 近年はやりのRPAやAIを活用して業務改善がしたい。
  • 基幹システムの老朽更新を行うが、せっかく投資するので、ただ老朽更新するだけでなく、さらによりよいシステムにして業務を効率化したい。

業務コンサルの仕事はこれらお客さんの悩みを解決することです。

どうでしょう?具体的にどうすれば解決できるかイメージできますでしょうか?

業務コンサル案件の進め方

先ほどの悩みを解決するために、業務コンサル案件では以下のような進め方をします。
(もちろん例外はあります)

  1. 方針の決定
  2. 現状業務の調査
  3. 問題の整理
  4. 課題の整理
  5. 解決策の決定
  6. 解決策の実行計画の作成
  7. 解決策の実行

「目標を決めて現状とのギャップを洗い出した後、ギャップを解消する方法を決めて、実行する」といういわゆる問題解決の王道の進め方ですね。

ただ、この抽象度だと、戦略やITのコンサル案件と同じような進め方と思われる方が多いと思います。

そこでもう少し具体的に説明します。業務コンサルならではの進め方の特徴は下記です。

  • 現状業務や問題の調査は、現場担当者からのヒアリングをベースとする(文献等のリサーチはそこまで多くない)
  • 課題や解決策の素案は、現場担当者とディスカッションして作成する

現状の業務とその問題点は現場担当者が一番知っています。
また、解決策を実行するのは現場担当者です。

そのため、業務コンサル案件では、現場担当者からうまく情報を引き出し、合意形成を図りながら進めていく必要があるのです。

業務コンサル案件の日々の業務内容

主に若手コンサルの仕事内容として書きます。

業務改革で若手コンサルは下記の業務を担当します。
(もちろん例外はあります)

  • 現状の業務や問題のヒアリング
  • 解決策案のリサーチ
  • プロジェクトリーダーやオーナー向け会議の資料作成 など

最終的にどんな問題・課題が重要だと顧客に提案するのかや、どんな解決策が必要と提案するのかは、メンバーではなく、マネージャーが決めることが多いです。

その手前の情報収集や情報整理を担当するイメージです。

戦略コンサルやM&Aコンサルなどとは異なり、財務周りには触れないことが多いので、Excelをごりごり使うことはあまりないです。
どちらかというとPowerPointが中心です。

業務コンサルとITコンサルの違い

業務コンサルとITコンサルの違い

ここまでの仕事内容を見て、ITコンサルと似ていると感じた方がいるかもしれません。

前章で紹介した「RPAやAIの活用」や「基幹システムの更新」なんかは特にITコンサルっぽいですよね。

結論として、業務コンサル案件とITコンサル案件(上流案件のみ)に明確な違いはありません。

ITコンサルが担当するシステム開発の上流工程では、業務改革が必要になるからです。

システムは基本的には業務を支えるものです。
そのため、どんなシステムを作るかを決めるためには、業務をどう改善するかを決める必要があるのです。

ですので、システム化を伴う業務コンサル案件は、ITコンサル案件と呼ばれることがあります。
(もちろん、業務コンサル案件と呼ばれることもあります)

業務コンサルに必要なスキルと知識

業務コンサルに必要なスキルと知識

業務コンサルに必要なスキルと知識をそれぞれ解説します。

業務コンサルに必要なスキル

業務コンサルと言えども、“コンサル”です。
ですので、コンサル基礎スキルが必要です。

論理的思考力やプレゼンテーションスキルなどですね。

【身に付けて損なし】コンサルスキル一覧【その後のキャリアも解説】

その中でも業務コンサルならではの、特に必要なスキルがヒアリングスキルです。

業務コンサル案件の進め方に書いた通り、「現状業務の調査」や「問題の整理」は、基本的にヒアリングメインで行うからです。

戦略案件などでも現状調査を行いますが、ヒアリングよりも文献等のリサーチが中心になります。
一方、業務コンサル案件では、現状を一番理解しているのが、実際に現場で働いている人たちなので、どうしてもヒアリングが中心になってきます。

もちろん、特定業界・業務でありがちな問題点をリサーチする必要はありますが、現状を正確に把握するにはヒアリングが必要です。

そのため、業務コンサル案件で特に必要なスキルは、ヒアリングスキルです。

業務コンサルに必要な知識

業務コンサルに必要な知識は下記です。

  • 業務コンサル案件の進め方やアウトプット
  • 担当案件の業界・業務にありがちな問題や課題、最新の解決策

まぁ、コンサルファームに入れば、各業界・業務の業務コンサルの専門家がいると思うので、その方に聞いたらOKです。

転職前にある程度準備しておきたい方は、業務改革系の書籍を読んで勉強しておきましょう。

業務コンサルに必要な知識を身に着けるために必要な書籍は、【これだけは読むべし】業務改革オススメ本【用途別に紹介】で紹介しています。

業務コンサルの年収とキャリア

業務コンサルの年収とキャリア

正直に言うと、業務コンサルだから年収やキャリアが変わるということはありません。
基本は所属しているコンサルファーム次第です。

年収とキャリアそれぞれについて具体的に解説します。

業務コンサルの年収

業務コンサルだから年収が高くなる、低くなるということはありません。
コンサルファームの年収体系によります。

例えば、戦略ファームで業務コンサル案件を担当している人は、戦略ファームの年収体系ですし、総合ファームで業務コンサル案件を担当している人は、総合ファームの年収体系です。

具体的な年収を、ムービンさんのサイトから引用しました。

外資系戦略コンサルティングファームの役職と年収水準

役職 年齢 コンサル経験 固定給与 業績賞与
アナリスト 22~28歳 0~3年 500~800万円 固定給の20%
コンサルタント 25~35歳 0~6年 900~1300万円 固定給の20%
マネージャー 28~40歳 2~10年 1400~2000万円 固定給の30%
プリンシパル 32~45歳 5~15年 1700~2500万円 固定給の30%
パートナー 35歳以上 7年以上 2500万円以上 業績次第
コンサルタントの年収・給与

総合系/IT系コンサルティングファームの役職と年収水準

役職 年齢 コンサル経験 固定給与 業績賞与
コンサルタント 22~30歳 0~3年 500~700万円 固定給の10~20%
シニアコンサルタント 25~35歳 0~6年 700~900万円 固定給の10~20%
マネージャー 28~40歳 2~10年 900~1400万円 固定給の10~20%
シニアマネージャー 32~45歳 5~15年 1300~1800万円 固定給の10~20%
パートナー 35歳以上 7年以上 2000万円以上 業績次第
コンサルタントの年収・給与

業務コンサルのその後のキャリア

基本的に、コンサルのその後のキャリアと同じです。
業務コンサルだからと言ってキャリアが特殊になることはありません。

若手コンサル

他のコンサルファームに転職する人が多い。
その際は、例えば、戦略コンサル・人事コンサル・ITコンサルなど、業務コンサル以外の領域に行く人もいる。

経験年数が長いコンサル(10年以上~)

自分の得意領域でそのままコンサルファームのパートナーを目指す人と事業会社の良い役職に転職する人がいる。
事業会社に転職する人は、事業会社の業務改革系の部署(事業推進室など)のトップやトップ近くに転職する人が多い。

このように、いわゆるコンサルのキャリアと同じです。

業務コンサルのリアルな1日

業務コンサルのリアルな1日

仕事内容やキャリアのイメージが付いたところで、実際の業務コンサルのリアルな一日を紹介します。

業務改革案件の特徴としてわかりやすいように、私が実際に業務コンサルとして現状問題の調査としてヒアリングを行っている日を紹介します。

なんとなくの働き方のイメージ(+どこにストレスがかかるのか笑)がわかると思います。

7:00 起床

1回目の目覚ましで起床。
オーダーメイド枕を使うなど睡眠効率には相当投資しているので、短時間睡眠でも割とすっきり起きられる。
あずきのチカラはコンサルタントの必需品。

8:00~10:00 顧客本社近くの喫茶店で朝食&ヒアリング準備

顧客本社近くの喫茶店に到着し、朝飯を食べながら今日のヒアリングの最終準備をする。
事前にアンケートで現場担当者に問題点を確認しているので、今日はアンケート回答の不明点の確認がメインだ。
今回のプロジェクトは、全社的な業務改革のためアンケート・ヒアリングの対象者が多い。
今日だけで10人×30分のヒアリング。何とか効率的に終えたいところ。
最終準備を入念に行う。

10:00~12:00 現状問題のヒアリング①

まずはある業務領域を担当する部課長3名にヒアリング。

部長A「アンケートにはこう書いたけど、本当に言いたいことは違うんだ」
「そうでしたか。アンケートに書ききれないくらいの深いお考えがあるのですね。(≒ふざけんな、元から言いたいこと書いとけや。事前準備の時間を返せ)」

コンサルと言えどもサービス業。重要な情報を引き出すために相手の気持ちを害することがあってはいけない。
感情的にならないように深呼吸してから真の問題を確認する。

「A様が本当に問題だと考えられていることは何でしょうか?(怒)」

12:00~13:00 昼休憩

何とか予定通りの時間でヒアリング完了し、昼休憩へ。
午前中のヒアリング結果から新たな仮説が出てきたので、それを踏まえて午後のヒアリング内容を微修正する。
そう、昼休憩という名の仕事である。

13:00~15:00 現状問題のヒアリング②

別領域の部課長3名に個別ヒアリング。
うち一人は、相当な話好きと聞く。関係のない話が始まったら機嫌を損ねないように本筋に戻さないといけない。

部長B「でもさ、今の若いやつらはほんとにいいよな~。俺が課長の時なんかは残業時間が…」
「(早速来たか…)そうでしたか~。やっぱ昔は大変でしたよね。ところで、このアンケート回答ですが」
部長B「(食い気味で)そうなんだよ。昔は徹夜で仕上げるのが当たり前だったからね。ま、時代が変わったのはわかるから、今の子に合わせて改善が必要なのは理解できるんだけどね」
「(くっ手ごわい・・・)そうですよね~。今の子に合わせた改善という意味ではこのアンケート回答は…」
部長B「(食い気味で)これはね、野球で例えると、〇¥×$%$…」
「(野球が詳しくないので全く理解できない)すごいわかりやすい例えですね!これあえて例えずに言うとどうなるんですかね?」

業務コンサルになると相手の内容を理解しなくても適切な相槌が打てるようになるのである。

15:00~17:00 現状問題のヒアリング③

結局部長Bのヒアリングが終わらず、後日追加で時間をいただくことになった。
ただでさえ忙しいのにつらみ。
マネージャーへの言い訳を考える時間もなく次の4名へのヒアリングへ。

このグループには事前アンケートの回答を最も理解できない人がいる。
もはや同じ言語を操るものとは思えない。
だが仕方がない。なぜならお客さんの会社の価値は製造している製品にあるからだ。(なお、事前に誰にでもわかる日本語で書くように伝えている)
我々コンサルタントと異なり、わかりやすい日本語にこだわる必要はない。(なお、事前に誰にでもわかる日本語で書くように伝えている)

17:00~18:00 追加ヒアリング

何とか時間内にアンケート内容を理解し、部長Bへの追加ヒアリングへ。
当日のうちに、追加ヒアリングの時間を確保できたのが不幸中の幸い。
私の詳しくないゴルフの例えを乗り越え(あえて例えずに言うとどうなるんですかね?)、予定していたヒアリングを終える。

18:00~19:00 顧客の事務局と雑談

今日のヒアリングには、顧客の事務局も参加していたので、慰労と反省を込めて雑談。

事務局「あれだけのアンケート回答をこんな短時間に理解するなんてさすがですね!でも、、、明日も6名のヒアリングもあるんですよね・・・。今日のヒアリング結果のまとめと明日の準備をこれからするんですよね…。大変ですね。ちゃんと寝てくださいね!」

一見、こちらの体調を気遣ってくれているようにみえるが、いかんせん顔がにやけている。
今回の事務局は味方なのか、それとも過重労働を面白がっているのかがわからないのがキツイ。
いずれにせよ、事務局さんとの雑談に付き合っているといつまでたっても明日の準備ができないので、一区切りついたところで、帰社。

19:00~19:30 自社オフィスへ移動

帰社途中のコンビニで買った弁当を夕食として食べる。
今日の打合せが全て終わった後にゆっくりと夕食を食べるこの時間が至福である。
しかしどんなに忙しくても体調を崩すわけにはいかない。
弁当に加え、野菜ジュースとウィダーインのマルチビタミンを一気飲みする。

19:30~21:00 ヒアリング結果の整理

今日のヒアリング結果を整理する。
まずは、ヒアリング結果を基にアンケート回答を修正し、ヒアリング担当者に修正内容が問題ないかの確認メールを送る。
あとで「こんなことは言っていない!コンサルが都合よく解釈している!」となって敵にならないようにしっかりと合意を取る。
割と大事なタスクである。

一通りメール連絡を終えたところで、マネージャーにもヒアリング結果を共有。

21:00~23:00 明日のヒアリングの準備

明日のヒアリング対象者は6名。
一人につき3つから5つの問題点をアンケートで指摘しているので、約20件の問題点を読み込む。
相変わらず、人に伝えるつもりがあるとは思えない日本語で書かれているのがあるが(なお、事前に誰にでもわかる日本語で(ry )、大筋で理解し疑問点をヒアリング項目としてメモしておく。

23:00~24:00 帰宅

何とか明日のヒアリングの目途が着いたところで、帰宅。
最近は、電車の中で頭を空っぽにしながら好きなyoutubeを聞くのにはまっている。
はぁ今日も疲れた。

24:00~25:00 就寝準備

睡眠の質を意識する私は、基本的にどんだけ遅く帰宅しても風呂に入るようにしている。
”コンサルとはなんぞや”というマリアナ海溝よりも深い問いを考えながら風呂で疲れをいやす。
入浴後はストレッチをしてベッドに飛び込む。
3秒で寝ている自信がある。

業務コンサルの働き方のイメージがついたでしょうか?

補足までに、今回は業務コンサルっぽさを伝えるためにヒアリングという、割と地味で感情労働的な一日を取り上げました。
問題・課題を分析したり、解決策を考えたりしている時はもっとコンサルっぽい感じになります。

業務コンサルになるメリット・デメリット

業務コンサルになるメリット・デメリット

業務コンサルの仕事内容・キャリア・働き方のイメージはついたでしょうか?

最後にこんな業務コンサルになるメリットとデメリットをまとめます。

基本的には、業務コンサルに限らずいわゆるコンサルファームに入るメリット・デメリットと同じです。

働き方に関するメリット・デメリット

基本的に成果主義のため、成果さえ出していれば柔軟に働ける
ただし、成果を出すためには基本的に長時間労働が必須
また、精神的なプレッシャーも大きく、メンタル系の病気になる人も多い

キャリアに関するメリット・デメリット

優秀な上司・同僚から刺激を受けながら、ビジネスマンとしての基礎スキル・マインドを圧倒的なスピードで身に着けることができる
ただし、将来キャリアの方向性をちゃんと考えずに仕事をしていると、専門性が身に着かないので、事業会社への転職は案外難しい

給料に関するメリット・デメリット

給料は基本的に高い。
ただし、仕事の時間も長いので、コスパで考えると、微妙な場合もある。

コンサル転職のメリット・デメリット【現コンサルが3つの観点で解説】

これらメリデメに加えて、業務コンサルならではのメリデメがあります。
実際に業務コンサルとして働いた経験から下記のように思います。

業務コンサルならではのメリット

プロジェクトメンバーの人数が多いので、組織を動かすスキルが身につく

戦略コンサル案件だと、経営層や経営企画部門のみを相手にすることが多い一方で、業務コンサルは、現状業務や問題のヒアリングで現場メンバーを巻き込みます。
また、その後の課題や解決策の合意を得る際は現場メンバーや関係部署との合意形成が必要です。

そのため、業務コンサル案件を経験すると、ロジックだけではない、組織を動かす力を学ぶことができます。

個人的な意見ですが、事業会社に転職した際にすぐに活躍できるのは、コンサルの中でも業務コンサル経験者だと思っているので、将来的に事業会社への転職を考えている方は、業務コンサルをオススメします。

業務コンサルならではのデメリット

戦略コンサルのようなリサーチスキルは身に付きにくい

業務コンサル案件では、現状調査をヒアリングメインで行います。

そのため、比較的リサーチスキルが身に付きにくくなります。

ですので将来的にリサーチスキルを活かせるような戦略系の仕事に就きたい方は、戦略コンサルへ転職することをオススメします。

業務コンサルに転職してキャリアアップしよう

以上、いかがでしたでしょうか!?

コンサルのブランドや高年収を得ながら、コンサル基礎スキルや組織を動かすスキルも得られる業務コンサル。
キャリアアップを考えている人には非常にオススメです!

業務コンサルに転職する際は、失敗しないようにコンサル専門エージェントを活用しましょう。
オススメは、【アクシスコンサルティング】 です!

その理由は下記。

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