フェルミ推定を何回かやってみたけど、似たような計算式になることがあるな・・・
計算式のパターンを理解すれば効率的にフェルミができるようになるかも!
本記事を読むことで、フェルミ推定のパターンを、具体例とともに理解することができます。
本記事の内容
本記事を書いている私は、過去に戦略コンサルへの転職活動を行っていました。
20社近くの戦略ファームを受けている中で、フェルミ推定のパターンを身に着けることで、フェルミ推定が全くできない状態から、ほぼ確実に面接を突破できる状態にまで至りました。
このように実践経験を経て身に着けたノウハウですので、ある程度信頼のおける内容になっているかと思います。
なお、本記事においては、戦略コンサル転職面接のお題として頻出の、売上・市場規模系の問題に特化して解説します。
参考:【まとめ|例題と解答付き】フェルミ推定とは?やり方や考え方は?
目次
フェルミ推定の頻出3+1パターン
フェルミ推定の基本式にはパターンがあります。
それは次の4パターン(3+1パターン)です。
フェルミ推定のコツにも書きましたが、お題が与えられたらまずはこの表の4つのどれに該当するのかを考え、基本式を設定します
上記の4パターンをみて、「あぁ、あれね。それくらい知ってるよ」と思った方は、このまま記事を読むのをやめてOKです。
ちょっとわからないかも…という方向けに具体的に説明してきます。
フェルミ推定のパターン①消耗品型
消耗品型に該当するお題は、一般消費財やサービスなどです。
どれくらいの人が、どれくらいの数を、どれくらいのペースで、購入するか?という考え方で式を作成しています。
こちらのパターン①と次のパターン②は、ざっくり言うとどれくらいの需要があるか?という考え方で式を作成しています。そのため、よく需要サイドから求める式と言われます。
基本式
具体例
日本のビールの市場規模であれば、次の通りの計算式になります。
※セグメンテーションを実施していないので、ざっくりです
また、ミネラルウォーターと筆記用具については、戦略ファームの面接のお題として出たことがあります。
以下の記事で詳細を解説していますので、読んでみてください。
フェルミ推定のパターン②-1耐久品型:市場浸透型
いわゆる耐久品です。
イメージとしては、買って終わりではなく、買った後、しばらく使い続ける商品です。
市場浸透型としていますが、広く世間に普及している商品のことです。次のパターン②-2で解説しますが、耐久品型であれば、基本的に②-1市場浸透型です。
今あるものを、どれくらいの頻度で買い替えるか?という考え方で式を作成しています。
基本式
なお、ネットで調べると、耐久品型をさらに所有型と存在型に分けている記事も多くありますが、考え方は一緒なので、分ける必要はないと私は思います。
イメージ的に分けた方がわかりやすいのであれば、分けて覚えてください。
具体例
日本の家庭用洗濯機の市場規模であれば、次の通りの計算式になります。
※セグメンテーションを実施していないので、ざっくりです
なお、この基本パターンを使用する際に、よく面接官に突っ込まれるポイントがあります。それは次の2点です。
- 買い替え需要だけを計算しているが、新規購入需要は考慮しなくて良いのか?
- 買い替えない場合もあるが、その点は考慮しなくて良いのか?
上記2点に対する回答方法は、実際に戦略ファームの面接で出たお題「フェルミ推定 例題~中古車の年間販売台数~」を用いて具体的に解説しています。
また、サッカースパイクの市場規模については、戦略ファームの面接のお題として出たことがあります。
以下の記事で詳細を解説していますので、読んでみてください。
フェルミ推定のパターン②-2耐久品型:新製品型
パターン②-1と同じくいわゆる耐久品です。
ただし、新製品型とあるように、まだ市場に広く浸透していない製品が当てはまります。イメージとしては、市場浸透型のように買い替え需要として計算するにはまだ早い製品です。
この基本パターンの出題頻度は低いです。そのため、耐久品型の場合はほとんどが市場浸透型です。
(この記事においては、フェルミ推定の基本パターンを3+1として解説していますが、この新製品型のパターンが他よりも頻度が低いという意図で、外だしで”1”としています)
ただ、全くでないわけではないので、一応押さえておきましょう。
このパターンの考え方は、まだ持っていない人のうち、どれくらいの人が購入するか?です。
基本式
購入数にカッコを付けてますが、耐久品なので基本的に購入数は1だよね、省略しても良いんじゃない?って意味です。深い意味はありません。
具体例
日本のAIスピーカーの市場規模であれば、次の通りの計算式になります。
※セグメンテーションを実施していないので、ざっくりです
フェルミ推定のパターン③稼働率型
ある1店舗やあるタクシーのように、範囲が狭い(ミクロ)の場合に使用します。
ミクロの場合は、具体的な場所のイメージが湧きやすいので、キャパシティのうち、どれくらいのスペースが、どれくらいの頻度で利用されているかという考え方で式を作成します。
パターン③は、パターン①、②と異なり、供給したものがどれくらい利用されているか、という考え方で式を作成するので、よく供給サイドの計算式と言われます。
基本式
具体例
スターバックス1店舗の1日の売上(店内のみ)は次の通りの計算式になります。
※セグメンテーションを実施していないので、ざっくりです
なお、東京メトロのコインロッカーの1日の売上については、以下の記事の途中から解説しています。
注意点:どのフェルミ推定のパターンでも良いお題もある
フェルミ推定の基本パターンを4つ解説しましたが、このうちのどのパターンでも良いお題も存在します。
具体例
地元密着のスーパーであれば、ミクロの売上ですので、正解パターンは③稼働率型となります。
しかし、地元密着ですので、商圏人口をベースとして、①消耗品型として計算することも可能です。
また、スターバックス1店舗の売上を、③稼働率型として紹介しましたが、場合によっては、①消耗品型として計算することも可能です。(ちょっとロジックが弱くなりますが)
結局、どのパターンを選ぶのが良いの?
基本パターンを選ぶ際に重要な下記2つのポイントを踏まえて選びましょう。
①複数の計算式を考えること
②その中で最も適した計算式を根拠を持って選ぶこと
なぜなら、戦略ファームの面接においては、ほぼ確実に、以下の点を突っ込まれるからです。
- なぜその計算式にしたのか?
- 他にどんな計算方法(アプローチ)が考えられるか?
この突っ込みに回答するには、複数の計算式を考えた上で(ポイント①)、明確な根拠を持って一つを選ぶ(ポイント②)必要があります。
このような面接官の突っ込みにしっかりと回答できるように、上記の2つのポイントを意識して基本式のパターンを選びましょう。
例えば、地元密着スーパーであれば、基本パターンの③稼働率型を選択したことを、私であれば次のように説明します。
こんな感じです。
以上でフェルミ推定の基本パターンの解説は終了です。
フェルミ推定のパターンと一緒に手順も押さえると効率的ですので、次章で解説します。
パターンと一緒に覚えるべき「フェルミ推定の手順」
以下の5つの手順です。
- 前提確認
- 基本式の設定
- セグメンテーション
- 数値の設定・計算
- 現実性検証
具体的には以下の記事で解説していますので、フェルミ推定をどんな手順で行ったらよいか腹落ちしていない方は、ぜひ確認してください。
さて、こういったパターンや手順ですが、理解しているだけではダメで、使えるようにならなければなりません。
そのためには日々の練習が必要です。
最後に日々の練習法について解説します。
パターンと手順を身に着けるためのフェルミ推定の練習法
結論:毎日問題を解きましょう
これに尽きます。
毎日問題を解くことで、効率よくパターンと手順を身に着けましょう。
身に着いたと言える目安は下記です。
面接官からお題を聞いてから時間を計り始めるまでの1分前後の間で、基本式とセグメントの軸・切り口が複数思いつく
実際はお題の難易度によって異なりますが、簡単な問題であれば上記くらいになれるとベストです。
フェルミ推定の日常の練習方法【練習以外にやるべきことも解説】
毎日解くほどの問題ストックが無い方へ:オススメ書籍があります
「現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート」です。
あまりに有名なので、既に多くの人が持っていると思いますが、合計130問のお題が載っています。
パターンと手順を身に着けるには十分な量だと思います。
パターンと手順を身に着けるには十分な量だと思いますが、もっと問題を解きたいというは【オススメ3選】フェルミ推定対策本【本より効率的な勉強法も解説】をチェックしてください。
フェルミ推定の面接を突破するためにノート以外の読むべき書籍を紹介しています。
フェルミ推定のパターンを身に着けて面接通過を目指そう
以上、いかがでしたでしょうか?
フェルミ推定を効率良く身に着けるためには、まずパターンを押さえることが重要です。
本記事記載の内容を理解・実践して華の戦略コンサルを目指しましょう!