コンサルってパワポ職人って呼ばれてるよね。
あれ、何でなの?どうやってパワポ作ってるの?
本記事のまとめ
パワポ職人と呼ばれる理由 | コンサルワークの特性上、パワポの品質・スピードに徹底的にこだわりぬくから! |
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コンサル流パワポの作り方 | |
パワポスキルを身に付ける勉強法 |
本記事では上記の内容を深堀します!
- 総合コンサルファームに5年勤務。
- パワポ職人として日々パワポ作りに精を出す。
- 転職した後はパワポの講師も経験あり。
入社したての頃は、スライド作成がへたくそで、センスがない、意味わからない、魂がこもってない…etcとか言われまくっていました。
そんな状態から、先輩のパワポ職人たちに教わり、パワポスキルを身に着けてきました。
パワポ作りが上手な人たちには、作り方に共通点があるように思います。
コンサルがパワポ職人と呼ばれる理由とともに、たくさんのパワポ職人に実際に教えてもらってわかった作り方の共通点についても紹介します。
目次
コンサルがパワポ職人と呼ばれる理由
結論:パワポの品質・スピードに徹底的にこだわりぬくからです。
では、なぜこだわりぬくのか?それは下記です。
それぞれ解説します。
コンサルがパワポ職人と呼ばれる理由①パワポが唯一成果物
コンサルの目に見える成果物は、パワーポイントのみです。
(場合によってはExcelも含む)
もちろん、最終報告書のパワポを作るまでの間の、ファシリテーションやそのコンテンツ自体の品質が重要ではあるのですが、形として残るのはパワポのみです。
そのため、自動車会社がかっこいい車を効率よく作るのと同じように、コンサルもかっこいいパワポ資料を高速で作ります。
人によりますが、かっこよさのこだわりが半端ない人だと、「このボックスをもう一ミリ右」とか「文字間隔をちょっと詰めて絶対にリード文を一行で書いて」と言った指摘がきます(笑)
まさに職人技といった感じです。
コンサルがパワポ職人と呼ばれる理由②コンサルは普段の作業量が多い
コンサルは世間一般の認識の通り、作業量が非常に多いです。
その結果として、残業時間が長くなります。(まぁ作業量以外の要因もありますけどね)
私が過去に担当したプロジェクトでめっちゃきつかったプロジェクトの残業時間は下記です。
- 1か月目:100時間
- 2か月目:140時間
- 3か月目:200時間
- 4か月目:180時間
≫参考:【実話】ITコンサル炎上案件に入った話【うつになりかけた】
こんな中で仕事をしていますので、残業時間を減らそうと自然と作業の削減・効率化を考るようになります。
その結果として、作業としての要素が大きいパワポ作業を超速スピードで作れるようになります。
お客さんの前でパワポ操作をすると、おぉ!とか魔法使いか!とか言われるようになります(笑)
(まぁExcelが速いの方が言われる率は高いですね)
コンサルがパワポ職人と呼ばれる理由③きれいなだけで会議進行がスムーズ
個人的にはこの理由が一番大きいのですが、見た目がきれいというだけで、会議でお客さんに突っ込まれにくくなります。
皆さんも感覚的にわかると思いますが、パワポ資料を一字一句くまなく読む人はほとんどいないと思います。
なんとなくで読んで後は説明を聞くくらいが普通だと思います。
ですので、きれいに作れているだけでなんとなく良さそうとなり、突っ込まれにくくなります。
見た目だけでなく、誤字脱字系も重要です。
特にお客さんのこだわりポイントで誤字脱字をしてしまうと、会議時間を相当取られてしまいます。
以前、お客さん側に”じんざい”を人財と書くルールがあったのですが、油断していて人材と書いて説明してしまった時がありました。
その際は、材の字が違うと指摘を受けた上で、当社が財と書く理由は・・・と講釈が始まってしまいました。。。
コンサルといえどしょせんはサービス業。
関係のない話はやめてくださいとはなかなか言えないので、だいぶ時間を取られてしまいました。
もうぜったいに誤字脱字しないと決めた瞬間です(笑)
このように、会議進行をスムーズにするためにも、パワポ職人として資料の品質にこだわりぬくのは重要です。
コンサルのパワポ職人はこう作る:コンサル流パワポの作り方
パワポ作りが上手な先輩のパワポ作成を見ていると、いくつかの共通点があるとわかりました。
それが下記です。
これらを意識するだけでも、高品質かつハイスピードに作れると思います。
それぞれ解説します。
コンサルパワポ職人の作り方①いきなりパワポを作成しない
パワポを作成するのに矛盾しているかもしれませんが、パワポ作成が上手な人に限って、いきなりパワポを作ることはしません。
まずは手書きやメモ帳アプリで以下の内容を詰めている人が多いです。
- 何を伝えたいのか
- どの順番で伝えるか
- どんなイメージのスライドを作るか
なぜなら、パワポはあくまで見た目をきれいにするツールであって、考えるためのツールではないからです。
上記は、まさに考えるフェーズです。
様々な研究で手書きの方が思考力が高くなると言われていますが、裏を返すとパソコンで考えると思考が深まらないということです。
なお、「作業開始前に何をどんな順番でどう伝えるのかを考える」というのは、あの有名書籍「イシューから始めよ」でも語られています。
スライドを作る操作に限らず、その前段の骨子を高品質かつ効率的に作る方法を学びたい方は、ぜひ一度チェックしてください。
コンサルパワポ職人の作り方②時間をおいて何度もパワポ資料を見る
パワポ資料を一度完成させた後は、少し時間をおいて何度も見直します。
すると、いったん頭がリセットされるからなのか、他人の視点からパワポ資料を見れるようになり、わかりにくい箇所などの改善点に気付きやすくなります。
翌日とかに見直しができたら一番良いのですが、そこまでの時間がなくとも、ちょっとコーヒーを飲んでからとか、お手洗いに行ってからとか、その程度でも効果があります。
この方法は、マッキンゼー出身でゼロ秒思考で有名な赤羽雄二さんの書籍「速さは全てを解決する」でも紹介されてります。
書籍の中では資料を「熟成させる」と表現されていました。
本書ではこういったスライドの作り方だけでなく、覚えるべきショートカットなども解説しています。
また、パワポに限らずメールやファイル整理の効率化方法にまで踏み込んでいます。
あの超優秀な人たちが揃っているマッキンゼーの人でさえ、日常業務の効率化にここまで拘るんだというのがわかります。
ぜひ一度読んでみてください。
コンサルパワポ職人の作り方③単純パワポ作業は効率化する
パワポ作成が速くてきれいな人ほど、いわゆるショートカットキーを使うとか、クイックアクセスツールバーを活用するなどにより、単純作業を効率化させています。
ちなみに、クイックアクセスツールバーは皆さんご存知ですよね?
よく使うボタンを登録しておくことで、「Alt+数字」のみで使えるようにする機能です。
実際のイメージはこんな感じ↓。
動画にするとこうです。
詳細は下記で解説しています。
回答は、コンサルの中でも分かれるです。
両方を使い分ける人もいますし、何があっても使わない人もいます。
また、部下に自分の流派を押し付ける人もいます(笑)
なんか剣術の流派みたいで面白いですね(笑)
(ちなみに私は使わない派です)
これであなたもコンサルのパワポ職人へ:オススメ勉強法
最後に、コンサルのようなきれいなパワポをスピーディーに作りたい人向けの勉強法を紹介します。
前提として、ほんとにコンサルみたいなパワポ資料を作れるようになりたいのであれば、コンサルに転職して上司に怒られながら何度も作るしかないです。
さすがに、パワポを上手に作りたいという思いだけで転職を考える人はいないと思いますので、コンサルに転職しない前提での勉強法を紹介します。
下記二つです。
それぞれ解説します。
パワポ職人になるための勉強法①コンサルファームのパワポを見る
コンサルファームのパワポなんてどこで見たらいいんだ、と思うかもしれませんが、見れます。
官公庁系の委託調査報告書です。
税金を使って委託している関係だと思いますが、コンサルなどに委託契約して作成した報告書が全て公開されています。
特に経済産業省の委託調査報告書がおすすめです。
例えば下記などがあります。
これだけでも、資料構成、各ページのメッセージ、レイアウトなどの勉強になると思います。
パワポ職人になるための勉強法②スライド作成の書籍を読む
実際のコンサルの報告書を見るだけでも相当勉強になりますが、作り方はわかりません。
その場合は、スライド作成系の書籍を読むのをオススメしています。
一部は本章の途中でも紹介しましたが、これだけは読むべきオススメ書籍を3つ紹介します。
パワポの見せ方を学べる:外資系コンサルのスライド作成術
主にパワポデザインについて解説。伝わりやすいグラフの使い分けやチャートの作り方は一度は学んでおくべき。
また、失敗例を成功例を対比しながら解説してくれるので、感覚的に理解しやすい。
演習問題付きでスキルの定着化まで図ることができる。
パワポの効率的な作り方を学べる:速さは全てを解決する
効率的に作業を行うノウハウ集。
ショートカットなど効率化方法だけでなく、まずは手書きメモで骨子を作りきるなど、仕事の進め方に関する効率化方法にまで言及。
また、資料作成に限らずメールやファイル整理の効率化方法も解説。
誰でも少なくとも一つは真似のできるノウハウがあるはず。
プレゼン骨子の作り方を学べる:イシューから始めよ
「脱犬の道」で有名な本書。問題をどう解くか?の前に本当に解くべき問題か?を見極める重要性を解説。
また、問題を見極めた後は、いきなり作業に入らず、ストーリーと絵コンテ(≒スライドイメージ)を組み立てる重要性とその方法も解説。
本書を読むことで、プレゼン骨子の作り方を身に付けることができる。
コンサルがパワポ職人と呼ばれるにはそれ相応の理由がある
以上、いかがでしたでしょうか!?
コンサルワークの本質ではありませんが、重要な要素であるパワポ作成。
まさに経験を積み上げることで職人技を身に着けているのです。
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