中小企業診断士の資格ってコンサルへの転職で有利に働くのかな?
日本唯一の経営コンサルタントの国家資格ですから、気になりますよね。
本記事を読むことで、コンサル転職のために中小企業診断士を取るべきか・取った場合の有効性がわかります。
本記事の内容
カラクリのプロフィール
- 総合系コンサルファームに5年間勤務。
- 転職活動は3回経験。戦略ファームへの転職活動も行う。
- 中小企業診断士を新卒3年目くらいに取得。
- 現在は地方の中小コンサルに勤務中。
転職活動中は、私も中小企業診断士の資格を取っていたこともあり、同じような疑問を持っていました。
こんな私の経験に加え、転職活動中にエージェントや面接官から聞いた内容などを基に解説します。
目次
コンサル転職時に中小企業診断士の資格の有効性は低い
結論:コンサル転職において中小企業診断士の資格は評価されません
選考の評価ポイントに、中小企業診断士の資格や、資格を取る過程で学べる知識が含まれていないからです。
じゃあコンサル転職では何が評価されるの?というのを次章で解説します。
なお、後で述べますが、中小企業コンサルファームであれば、中小企業診断士の資格が評価されます。
コンサル転職時の評価ポイントと中小企業診断士の資格が評価されない理由
選考過程での評価ポイントは、主にスキルと実務経験です。
具体的には、以下4つです。
それぞれ評価される理由と、中小企業診断士の資格では評価されない理由を解説します。
コンサル転職での評価ポイント①論理的思考力
書類選考などでは、これまでの実務経験なども評価されますが、面接での評価は、この論理的思考力がほとんどといっても過言ではないでしょう。
(なお、コンサル転職においては書類選考は足切り程度で重要度は低いです。面接がほぼ全てです)
それだけ入社後に必要なスキルということです。
実際に仕事をしていて思いますが、世の中で一般的な知識やフレームワークをそのまま当てはめることはまずありません。
つまり、どれだけ知識を仕入れたとしても、それを応用できなければ仕事上は使えないわけです。
その応用のためには、論理的思考力が必要です。
面接において論理的思考力は、主にフェルミ推定・ケース面接で評価しています。
診断士の資格を取る過程で学べる3C・STP・4Pや、アンゾフの成長マトリックスなどを使います。
しかし、診断士の方では、これらをどう応用して、論理的な結論を導くかについては学んでいません。
そのため、面接では診断士関連の知識があったとしても評価に繋がらないのです。
コンサル転職での評価ポイント②コミュニケーションスキル
コンサルタントは、客商売です。
そのため、ただ論理的に考えられるだけでなく、それを正確にわかりやすく伝える能力が必要になります。
これも資格試験や経営の勉強をしているだけでは身に着かない能力です。
コンサル転職での評価ポイント③英語の実務経験
英語の実務経験は評価されます。(もちろん、論理的思考力がある前提です)
グローバルプロジェクトが増えてきていることが要因だと思います。
中小企業診断士は、あくまで資格ですので、実務経験を積めるわけではなく、また、英語の試験が出るわけでもありません。
そのため、診断士の資格を取っても、評価されないです。
コンサル転職での評価ポイント④面接を受けるファームに直接活きるような実務経験
これも、論理的思考力やコミュニケーション力がある前提ですが、コンサルファームの仕事に直接活きるような実務経験があると、評価されます。
例えば、新規事業の立ち上げ・業務改革・要件定義などです。
しかし、中小企業診断士は、繰り返しになりますが、あくまで資格ですので、実務経験を積めるわけではありません。
いちおう、資格取得時に実務研修ということで、中小企業の社長向けに経営診断を行いますが・・・残念ながらコンサルファームで通用するクオリティにはなっていないかと思います。
この経験を話しても評価はされないでしょう。
中小コンサルファームへの転職であれば中小企業診断士の資格が評価される
船井総研や山田ビジネスコンサルティングが有名ですが、これらのファームの募集要項や採用ページを見ると、応募条件に中小企業診断士の資格を保有していることと、書かれていることがあります。
そのため、中小企業向けのコンサルファームに転職する場合は、有利になるでしょう。
実際、私はいま地方の中小コンサル事務所に所属していますが、診断士の資格を持っていると伝えたらほぼ顔パスでした(笑)
中小企業向けのコンサルに転職したいと言う方は、中小企業診断士の資格を取っておいても良いと思います。
んー。中小企業診断士の資格があまり有効ではないことはわかったんだけど、何か有効な資格はあるのかな?
少しでもアドバンテージを取った上で転職活動を行いたいんだよね…
そんな方向けにオススメの資格を紹介します。
コンサル転職時に評価される中小企業診断士以外の資格
下記です。
- 英語試験(TOEIC・TOEFL等)
- 公認会計士
- MBA
ただし、この資格を取ったからといって内定が取れるわけではありません。
あくまで、ちょっと有利になるだけです。
一つも持っていないコンサル未経験の方であれば英語試験一択
この中の一つも持っていないのであれば、英語試験一択かなと思います。
資格を取るには時間がかかります。
特にコンサル未経験ですと、資格よりも年齢の方が大事な要素だったりしますので、MBAや公認会計士の資格を取るよりも早く受けた方が良いです。
私も、エージェントに相談して、TOEICの試験を受けました。
800点以上あれば、最初の書類選考の時にちょっと効いてくるとのことでした。
また、マッキンゼーやA.T.カーニーなどでは面接にて英語力チェックが入ります。
これらファームを受ける予定があるのであれば、なおさら英語を勉強しておいた方が良いです。
他は、現時点で持っているのであれば、十分な資格ですが、転職するためだけに取るものではないので、現時点で持っていないのであれば、新たに取る必要はないと思います。
そうすると、資格系でそこまでプラス評価にはなるものはないのか・・・
それなら評価のポイントである、論理的思考力・コミュニケ―ションスキルを磨くしかないけど、何かいい方法ないかな?
最後に転職活動しながらこれらスキルを効率よく身に着ける方法を解説します。
コンサル転職時に評価されるスキルの身に着け方
面接対策を通じて身に着ける
この一択です。
具体的には、フェルミ推定・ケース面接の練習です。
ただし、論理的思考力とコミュニケーションスキルを身に着けるのであれば、以下2点を意識した方がよいです。
- 自分で論理性を根詰めて考える
- 他人から論理性・コミュニケーションのフィードバックをもらう
論理的思考力においては、自分で深く考える癖を着けていかないとスキルが身に着きません。
また、自分一人で能力を高めるには限界があります。
そこで、他人からのフィードバックが必要になります。
実際、私はもちろん多くのコンサルタントはこの方法で論理的思考力を身に着けているのだと思います。
仕事で根詰めて考えますし、上司からフィードバック(という名の激詰め 笑)を受けますしね。
また、コミュニケーションについては、スキルの改善活動をしていない方が多いのではないでしょうか?
コミュニケ―ションを改善していくためには、他人からコミュニケーションの改善点をフィードバックしてもらうことが重要です。
まとめ:中小企業診断士などの資格よりもスキルを磨くことを優先しよう
以上、いかがでしたでしょうか!?
転職活動は落ちたらどうしようと不安になりますし、事前に資格などで有利にしたいもの。
ですが、選考では資格よりもスキルを見ていますので、スキルを磨くことを優先して準備をしましょう。