【解説付き】フェルミ推定|例題|サッカースパイクの市場規模|モニターデロイトで出題

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

本記事は内容に広告・プロモーションを含みます

本記事について

戦略コンサルへの転職経験から、実際に面接で出た(出ると言われている)フェルミ推定・ケース面接の問題と、その回答方法や面接官に突っ込まれた時の返答例をまとめています。

今回は「サッカースパイクの市場規模」です。

このお題について

モニターデロイトを受けた時に出ました!

いわゆる趣味系の問題で、趣味をフットサルと答えたら、なぜか“サッカー”スパイクの市場規模のお題でした(笑)

趣味が「サッカー」や「フットサル」の方は同じお題が出される可能性があります!

難易度(3段階):★☆☆
難易度はあまり高くないと思います。確実にできるようになりたいお題です。

本記事の特徴

1.実際の戦略コンサルの面接で出たことのあるお題を使用
⇒今後も出る可能性の高いお題を練習できる
2.戦略コンサル転職経験者が回答例を記載
⇒面接を突破するためにどの程度の回答でよいかわかる
3.面接官から良く突っ込まれるポイントとその返し方を記載
⇒面接官とのディスカッションの準備ができる
※実際の面接の通過状況から、3が一番重要だと感じています

本記事の信頼性

本記事を書いている私は、過去に戦略コンサルへの転職活動を行っていました。(色々あって結局辞退しています)

初めの頃は面接に落ちまくっていましたが、どうしたらできるようになるか必死に考え、練習を重ねてきました。

結果、20社弱の戦略ファームを受けることになりましたが、最後の方はほぼ確実に面接を突破できるようになっていました。

これだけのファームを受けている方は、良くも悪くもいないと思います。豊富な実践経験を基に解説しますので、ある程度信頼のおける内容になっているかと思います。

本記事を活用した面接の練習方法

1.指定した時間で回答を考えてみる
※わからなくてもとりあえず答えを出すことが、上達の上でも、実際の面接対策の上でも重要です
2.筆者の回答例と比較する
3.面接でよく聞かれる質問を確認し、自分ならどう答えるか考える
4.筆者の回答例と比較する

そもそものフェルミ推定が全くわからないという方は、まずこちらの【まとめ|例題と解答付き】フェルミ推定とは?やり方や考え方は?を読んでください。

知識ゼロの状態からフェルミ推定の面接を突破できるようになるまでの対策をまとめています。

お題再掲

では、お題を再掲します。

サッカースパイクの市場規模(5分)
※ 日本国内、年間

参考になると思いますのでぜひ読んでみてください!

海_2

計算ロジックと計算結果

こちらの記事に書いてあるように、フェルミ推定は以下のステップで考えます。

1.前提確認
2.基本式の設定
3.セグメンテーション
4.数値の設定・計算
5.現実性検証

今回のお題も同じステップで考えます。

1.前提確認

お題の前提や言葉の定義を確認します。
具体的には、お題の範囲(世界or日本or東京など)期間(1年間or1日など)です。

今回で言えば、日本の1年間ですね。

ちなみに、前提条件は面接官から教えてもらえることが多いので、このステップはそこまで重要ではないです。

ただ、別の意味で重要なステップです。

それはこのステップの間に、続きの基本式の設定やセグメンテーションを考えられることです。

このステップは、面接中においては、時間を計り始める前に行います。

私はそこまで頭の回転が速い方ではないので、この前提確認の時間をうまく利用して、この後の基本式の設定やセグメンテーションの候補を考えていました。

私みたいに頭の回転の速さにそこまでの自信がない方は、時間稼ぎ的にお題の範囲(日本国内で良いですよね?)や期間(もちろん1年間ですよね?)を聞くのもアリだと思います。

2.基本式の設定

今回は日本国内のフットサルシューズの市場規模。

こちらの記事に掲載した基本式の正解パターンのうち、「②-1耐久品の市場浸透型」に該当しますので、基本式は以下の通りになります。

■基本式(変形前)
ベース×保有率×保有数÷買い替え頻度×単価

参考までにやり方の記事に掲載した「基本式の正解パターン」を再掲します。

画像6

この式を今回のお題に合わせて変化させていきましょう。

サッカースパイクは個人が保有するものだと思いますので、
今回のベースは個人(日本人口)とします。変形後の基本式は次の通りです。

■基本式(変形後)
日本人口(人)×保有率(%)×保有数(足/人)÷買い替え頻度(年/回)×単価(円/足)

今回はあまり気にしなくても良いですが、単位が何かは意識するようにしましょう。

項目の抜け漏れや計算ミスに気づきやすくなります。

以上で基本式の設定・変形は終わりです。

ちなみに、人によっては、変形後の基本式を最初から導出できる人もいるかと思いますが、私は得意ではないので、このように一度変形前の基本式を(頭の中で)挟むようにしています。

3.セグメンテーション

続いてセグメンテーションです。

どこまでセグメンテーションするかは、回答時間に応じて考えます。

今回は5分なので、3~4セグメントくらいを目安に切り口を考えます。

切り口は、日頃の経験と一般的な切り口を両睨みしながら考えていきます。

今回の私の思考回路は次の通りです。思考回路そのまま書いているので、読みにくいですがご容赦をww

・サッカーのスパイク。もちろんサッカーする人が購入するよな。
サッカーやる人はどんな人?やっぱ学生の時の部活だよな。自分も部活引退したらサッカー辞めてフットサルに移行したしな。
・でも、大人になってもサッカーやり続ける人もいるな。会社のサークル入るとか。社会人チームに入るとか。
・フットサルならまだしも、大人になってからサッカーやり始める人はいないだろうし、子供の時にサッカーやってた人のうちの何割かが大人になってもサッカーを続けるんだろうな。
・やっぱ軸は年齢軸か。部活の時と大人の時では保有率も買い替え頻度も単価も違いそうだし。
・他には、、、性別軸もあるな。あと、プロ/アマチュアみたいのもアリか?
・プロ/アマチュアは、プロとアマチュアの比率を決める根拠が弱くなりそうだからやめるか。。。
男女はアリだけど、5分で2セグメントってのも計算が遅いと思われそう。あと、男女の違いで差がでるのは、保有率くらいか?
・よし! 年齢軸で計算して、保有率を、性別も考慮して数値を設定しよう!

このような思考プロセスを経て、今回は年齢軸で切り分けます。
個人的には切り口を考える段階で、上記のように幅広く思考(妄想?)しておくことをオススメします。

次の「4.数値の設定・計算」において、数値を設定する時の根拠になるからです。

そしてなによりも、面接においては、フェルミ推定だけで終わることは少ないです。

だいたいこの後に「売上を伸ばすためには」とか「販売数を伸ばすためには」といったケース問題に繋がります。その方向性を考えるきっかけになります。

しかも考える時間を確保してくれない時が多いので、あらかじめざっくり考えておくことが重要です。

以下に、セグメンテーションを終えた表を貼り付けます。

スライド2

今回は、学生かどうかが一つのポイントになるので、0-20を一つの区切りとして4つのセグメントに切り分けました。

ちなみに、セグメンテーションにありがちな失敗例とその対策はこちらの記事にまとめています。

セグメンテ―ションが上手くできない方はチェックしてみてください。

4.数値の設定・計算

続いて数値の設定・計算です。

正直、日本人口や世帯数など、基本的な数値を除いて、他の数値はほぼ感覚値です(笑)

ただし、なぜその数値にしたのかの理由はしっかり考える必要があって、「〇〇が理由だから、だいたい(感覚的に)これくらい」といった回答が必要です。

”感覚的に”を良い感じで表現するために、
 ・〇人あたり〇人は使用しているイメージ
 ・小学校のクラスで〇人は持っている感覚
などの自身の経験と結びつけたロジックを使います。

■日本人口

全体で12,000万人。

各年代の人数が同一と仮定して、4セグメントなので、4等分。

全てのセグメントで、3000万人

■保有率

サッカーをやる人と同じと考える。

以下の3つを仮定して数値を設定する。

①子供の時に部活などでサッカーをしていた人のうち、何割かが大人になってもサッカーを続ける(大人になってからサッカーを新たにやりだす人はほぼいない)
②体力的にきつくなるので、年を取るごとにサッカーを続ける人は減少する
③サッカーをやるのはほぼ男性と仮定

0-20:

以下の3条件から比率を算出

・やるとしても5歳以上:3/4
・ほぼ男性:1/2
・男子の10人に1人くらいはサッカー部:1/10

⇒3/4×1/2×1/10≒4%

20-40:

子供の時にサッカーをやってた人の半分が継続するとして算出。

なお、20-40は、0-20の5歳以下みたいに、サッカーをやらない世代はいないので、0-20の保有率を計算した3/4は除外して考える

⇒1/2×1/10×1/2=2.5%

40-60:

健康意識も高いと思うので、20-40の時にサッカーをやっていた人は、ほぼ継続する

⇒2%

60-80:

体力的にサッカーがきつくなってくるので、サッカーを継続する人は減

⇒1%

■保有数

0-20:

部活でやっている人は、2足持っている人も多かった。

みんながみんな2足持っていたわけではないので、平均1.5足と設定。

20以上:

大人になって、サッカーする頻度も下がっているので、2足以上持っている人はほぼいないと想定。

平均1足と設定。

■買い替え頻度

0-20:

スパイクが壊れるか、足が成長して合わなくなるかで買い替えていた。

記憶だが、だいたい1年に1足は買っていた印象

⇒1年/回

20以上:

スパイクが壊れることもほぼなく、足が成長することもほぼないので、買い替え頻度は落ちると思う。5年程度と想定。

⇒5年/回

■単価

安くて数千円~高くて2万円以上していたと思う。

以下2つの条件で単価を設定

・子供の時は本気でサッカーをしているので、ある程度良いのを買おうとしていた印象がある。
・大人になってからは、趣味レベルでやる人がほとんどだろうから、あまり高いのは買わないのではないかと想定。

0-20⇒1万5千円
20-80⇒1万円

以上を計算すると、330億円(端数を端折りつつの計算)になりました。
計算を終えた表を掲載します。

スライド1

面接であれば、残り時間は、計算ミスの確認と、突っ込みポイントへの返答を考えます。

実際の数値と振り返り

エヌピーディー・ジャパンの記事にサッカースパイクの市場規模(2017年2月~2018年1月。9歳以下着用目的者を除く)の記載がありました。

250億円とのことです。ちなみに、野菜ジュースの3倍とのこと。なぜ野菜ジュースと比較しているのか疑問ですが(笑)

あと、なぜか9歳以下の市場が除外されているので、9歳以下も含めたらもう少し高いかもしれません。いずれにせよある程度近い結果となりました。

(面接のときは、面接官がその場でネットで調べてくれました。しかし、調べても出てこなかったと言っていたように思うのですが、今調べたら普通にでてきますね・・・なんでだろう・・・)

フェルミ推定はあくまで思考過程を見るものですので、実際の数値と近さは、面接の評価にそこまで関係ありません。

個人的には桁が同じであればほぼ問題ないかなと思っています。

さて、振り返りですが、今回は、セグメントを切る軸を決めるのが難しかったです。

男女で切った方が保有率の精度は上がる気がするのですが、5分で2セグメントだと、計算が遅いようにみられるかもしれません。
また、性別軸だけだと、保有数・買い替え頻度・単価の精度があまり上がらないように思いました。
そのため、年齢軸でセグメンテーションを行いました。

時間が10分とかで長ければ、男女×年齢軸でセグメンテーションしたと思います。

あと、結果論ですが、0-20セグメントのシェアが高すぎるように思いました。全体の9割近くが0-20セグメントですもんね。

ちなみに、エヌピーディー・ジャパンの記事ですと、10-20歳のシェアは50%くらいとのこと。若い人達のシェアが高いというのは同じですが、90%はやりすぎですねww

今回の面接では突っ込まれなかったですが、面接官によっては、突っ込んでくると思います。

海_夕陽

面接でよく聞かれる質問と返答例

最後に面接でよく聞かれる質問と返答例です。

個人的な感覚として、ここまでのロジックについては、大外れしていなければ、そこまで重要視されていない印象です。

むしろ、ディスカッションでどれだけ返答できるかを見ているように感じます。

今回の面接では、実は特に突っ込みがなく、次のお題に移ったので、よく突っ込まれるポイントについて、今回のお題ならどう返答するかを解説します。

ちなみに、よく突っ込まれるポイントとその返答方法は、こちらの記事にまとめてあります。以下の返答例とあわせてチェックしておくことをオススメします。

■推定結果は妥当か?

今回は、「その市場の1社あたりの売上高から妥当性を示す」でやってみましょうか。

サッカースパイクの主要メーカーは、アディダス・ナイキ・アシックス・プーマ・・・ともう1社くらいありそうですね。5社とします。

シェアがほぼ同様とすると1社あたり20%ですので、売上は、約60億円。

会社の1事業とすると小さい金額ですが、サッカー事業の中の1商品カテゴリーであるサッカースパイクのみの売上と考えると妥当に思います。

ちなみに、アシックスの決算資料を見ると、サッカー商品が入るコアパフォーマンススポーツ(CPS)の日本の売り上げは約200億円(2019年度)とのこと。
(こちらの決算補足資料のP.17参照)

同資料のP.34を見ると、CPSの主力はテニス、バレー、サッカーあたりと推測できますので、単純に200億円÷3してもだいたい同じくらいの数値になりますね。

ほんとは、ウェアなどのシューズ以外の売上を除かないとですが、だいたい同じくらいの値になる気がします。

■より精度を上げるにはどうすればよいか?

振り返りでも書いたように、セグメントにさらに性別軸を加えると精度が上がると思います。

ですので、面接本番で聞かれたら以下のように回答すると思います。

今回は年齢軸だけで切り分けましたが、さらに男女で切り分けると特に保有率の精度が高くなると思います。そのため、今の軸にさらに男女の軸を加えることで精度が上がると思います。

以上、いかがでしたでしょうか?

最後までお読みくださりありがとうございました!

参考になったよ!と言う方はぜひイイネボタンをお願いします!

また、他にもフェルミ推定の例題を解説していますので、気になった方は是非確認してみてください!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加