フェルミ推定のやり方~転職面接の経験を基に解説~

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本記事について

戦略コンサルへの転職経験から、フェルミ推定の解き方をまとめています。

フェルミ推定の対策本として有名な『現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』(以降、東大生のフェルミノート)がありますが、これと比較しながら、解説していきます。

フェルミ推定のステップ

実際の転職面接の経験から、
フェルミ推定は以下のステップで解くのが良いと考えています。
※東大生のフェルミノートのステップとの紐づけを”≒”以降に記載しています。やってることは東大生のフェルミノートのステップとほぼ同様です。

0.前提確認(≒前提確認)
↓時間の計測開始
1.基本式の設定・変形(≒アプローチ設定)
2.セグメンテーション(≒モデル化)
3.数値の設定・計算(≒計算実行)
4.(時間があれば)現実性検証・質問対策(≒現実性検証)

以降、各ステップについて解説していきます。

0.前提確認

お題の定義や数える範囲をどうするかを確認するステップです。
面接においては、面接官がお題を出してから時間を計り始めるまでの間に行います。

フェルミ推定において必要なステップではありますが、
個人的に、面接でこのステップを意識することはほぼありません。
定義や数える範囲は、日本国内の全ての〇〇と思っておいた方が良いです。
そうでない場合(例えば東京都の〇〇や、家庭用の〇〇など)は、面接官が教えてくれます。

こちらの記事に記載してある中古車の販売台数は、家庭用としていますが、
これも面接官側から家庭用のみを算出するようにと指定されました。

ですので、前提確認自体はそこまで重要ではないですが、
このステップには別の意味があります。

それはこのステップで面接官に質問することで、
その後の基本式やセグメンテーションをどうするか考える時間を稼ぐことができることです。

そのため、私は面接においては、
よく「これって範囲は日本国内ですよね?」とか「家庭用とかではなく、法人向け含めた全てが対象で良いですよね?」と言った質問をして時間を稼いでました(笑)

このように、時間を稼いでその後のステップの内容を考えるという意味で、(特に慣れないうちは)重要です。

なお、私の例題記事においては、このステップ以降(実際に時間を計り始めてから)を解説しています。

1.基本式の設定・変形

フェルミ推定の基本式を設定するステップです。

このステップはフェルミ推定において最も重要です。

この基本式の設定を誤ると、その後のセグメンテーション等を上手に行ったとしても、論理が弱くなり面接官に突っ込まれやすくなります。

突っ込まれた際にうまく返答できればまだ面接通過するかもしれませんが、弱い論理で返さざるを得なくなるので、通過率は大きく下がってしまうでしょう。
それだけ重要なステップです。

さて、この基本式ですが、実はお題の種類に応じて、ある程度の正解パターン (最も確からしく感じる方法)があります。

東大生のフェルミノートでは、この正解パターンを、フェルミ推定の基本体系として次のように説明しています。

画像1

この分類自体はとても重要なので、しっかり頭に入れて練習してください。
しかし、戦略コンサルの転職においては、この分類だけでは不十分です。

なぜなら、転職面接で出る問題のほとんどは、売上推定(フロー問題)であるので、売上推定の正解パターンをさらに細かく分類しておく必要があるからです。

詳細は別記事で紹介できればと思いますが、
大きくは以下のパターンに分類できます。

画像3

面接で与えられる時間は、3分~10分程度と極めて時間が少ないので、
お題を与えられた瞬間、この式のどれで回答するべきかをすぐに思いつく(5秒~10秒ほど)レベルにまで慣れておく必要があります。

基本式を決めたら、お題に合わせてベースの設定や項の追加、文言の変更を行います。(このステップが基本式の変形です)

こちらも詳細は別記事に記載しますが、例えば、「新車の市場規模」であれば、「②-1耐久品の市場浸透型」に該当すると思いますので、次のようになります。

日本の世帯数(ベースの設定)×自動車保有率(文言の変更)×保有数÷買い替え頻度×新車選択率(項の追加)×単価

2.セグメンテーション

フェルミ推定において、基本式の設定・変形の次に重要なステップです。

フェルミ推定の面接では、推定数値の正しさではなく、推定の考え方を評価しています。推定の考え方が最も表れるのが、基本式の設定とセグメンテーションです。

この後の数値の設定もある程度考え方が表れますが、感覚的な部分も多くなるのでそこまで重視されていない印象です。

面接官に、「どのように推定を行うのかの考え方をみたいので、数値の設定はざっくりでいいですよ」と言われたこともあります。
拡大解釈ですが、「推定結果とかの数値はどうでも良いので、基本式とセグメンテーションだけで評価しますよ」と言っているとも取れます。

それくらい基本式の設定とセグメンテーションは重要と言うことです。

さて、このセグメンテーションのポイントは、必ず意味のある単位で切り分けることです。
個人的に東大生のフェルミノートの弱い部分だと思っています。例を使って解説します。

東大生のフェルミノートの、P.24で「日本国内のミネラルウォーター消費本数」のセグメンテーションを行っています。
男女×年齢で次のようにセグメントを分けています。

ミネラルウォーターの消費本数

特に年齢セグメントについて、10代単位で切り分けてますが疑問が残ります
東大生のフェルミノートでは、この軸(年齢)と切り口(10代単位)を選定した理由を次のように説明しています。

①20歳未満の消費本数は比較的少ない
②40代以上の消費本数は世代を追うごとに減少していく

ですが、

①について
・20歳未満の消費本数は比較的少ないとするならば、10歳未満・10代と分けるのではなく、20歳未満という一つのセグメントを作るべきではないか?

・さらに、10歳未満と10代で消費本数が異なっているので、他に何か理由があると思われるが説明されていない

②について
世代を追うごとに減少していくはずが、50代以降の消費本数が全て同じになっている。それであれば、セグメントを50代、60代、70代と分けるのではなく、50代以上としてまとめた方が良いのではないか?

と言ったように、セグメントを切り分けた理由と実際のセグメンテーションが一致していません。

考え方を見るフェルミ推定では、セグメンテーションが甘いと必ず突っ込まれます。
特に年齢軸は10代単位で分けがちですが、必ず意味のある単位で分けることを意識してください。

なお、ミネラルウォーターの市場規模はマッキンゼーなどでよく出ると言われているフェルミ推定です。
こちらの記事で解き方の解説をしていますので、「じゃあ東大生のノートのセグメンテーションではよくないなら、どう解けばよいの?」と思われた方はチェックしてみてください

3.数値設定・計算実行

セグメント分けした項目ごとに数値を設定し、計算していきます。
2.セグメンテーションにて、何かしらの理由を持ってセグメント分けしているはずですので、その理由を数値に反映していきます。

前段でも述べたように、基本的にざっくりとした設定で良いです。
日本人口や世帯数など、基本的な数値を除いて、他の数値はほぼ感覚値です。

ただし、なぜその数値にしたのかの理由はしっかり考える必要がります。
「〇〇が理由だから、だいたい(感覚的に)これくらい」といった回答です。

”感覚的に”を良い感じで表現するために、
〇人あたり〇人は使用しているイメージとか、小学校のクラスで〇人は持っている感覚とか、自身の経験と結びつけたロジックを使います。

これで数値を設定したら後は計算して推定結果を算出しましょう。

4.現実性検証・質問対策

このステップはフェルミ推定を終え、時間が余っていたら行います。
算出した数値の確からしさの検証やその他突っ込まれそうなポイントとその返答を整理しておきます。

計算結果の検証は、面接における頻出質問です。
実際の面接においては、解き終わってもまだ時間が余っていれば質問対策として考えておきましょう。

詳細は別記事に記載しますが、
私が良くやる回答方法は次の通りです。

その市場の1社あたりの売上高から妥当性を示す
■回答骨子
この業界の主要プレイヤーは〇社くらいとして、それぞれ〇%くらいずつのシェアを持っているとすると、1社あたり、〇〇円。
大企業の一事業の売り上げとしては妥当だと思います。

以上、いかがでしたでしょうか?

私の他の記事では、本記事記載のやり方をベースに、実際に面接で出た(&よく出ると言われている)お題の解説をしています。

様々な問題の練習をしておくことが必要がありますが、
面接において頻出の問題に慣れておくことが一番の対策になります。

気になる方はぜひ読んでみてください!

またこの記事良かったよと言う方はぜひイイネ!をお願いします!

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