

フェルミ推定を一問くらい解いてみたけど、なんかよくわからん・・・何かうまいやり方とかあるのかな?
こんな疑問に答えます。
本記事の内容
本記事を書いている私は、過去に戦略コンサルへの転職活動を行っていました。
フェルミ推定・ケース面接が苦手でしたが、必死に練習を重ね、最後の方はほぼ確実に面接を突破できるようになっていました。
今は当時の経験を活かしてコンサル転職者の面接支援をしています。
このように実際に効果のあったやり方を解説していますので、ぜひご覧ください。
なお、そもそもフェルミ推定って何なの?という方は、【今さら聞けない】フェルミ推定とは!?【例題・勉強法も解説】をまずチェックしてください。
初心者がおさえるべきフェルミ推定のやり方
フェルミ推定は、下記の順番で推定していくことで、論理的な回答ができます。
各手順を解説します。
やり方①前提確認
この段階でお題の前提や定義を確認します。
具体的には、お題の範囲(世界or日本or東京など)や期間(1年間or1日)などです。
基本的に前提確認をし忘れることは少ないかと思いますが、注意が必要なのは、一日の売り上げの場合です。
平日/休日のどちらであるかを確認し忘れることが多いです。
何の一日の売り上げかにはよりますが、平日と休日で数値が変わることが多いので、設定が必要です。
ですので、一日の売り上げ系の問題を解くときは注意しましょう。
やり方②基本式の設定
フェルミ推定を解く際の計算式を決めるステップです。
例えば、スタバ1店舗の一日の売り上げ(店内のみ)であれば、
となります。
面接においてはこのステップが超重要です。
なぜなら、面接官はこちら側の考え方を評価していますが、最も考え方が表れるのがこのステップだからです。
エージェントから聞きましたが、面接官によっては、式だけ答えさせて数値設定はしない場合もあるみたいです。
それくらい重要なステップです。
ちなみに基本式は、下表の通りいくつかのパターンがあります。
ですので、基本式の設定のやり方は、
- 上記パターンのどれに該当するか考える
- 基本式をお題に合わせて変形させる
の2ステップで行います。
先ほどのスタバ1店舗の一日の売り上げ(店内のみ)であれば、
- パターン:稼働率型
- 基本式の変形:ベースを席数に変更。稼働率を使用率に変更(稼働率のままでも意味は通じるので、そのままでも問題なし)
となります。
注意点:どのパターンでもよいお題もある
例えば、ディズニーランドの売り上げなどです。
詳細は、「フェルミ推定にはパターンがある!頻出3+1パターンを解説」で解説していますので、気になった方はチェックしてみてください。
やり方③セグメンテーション
基本式の設定で決定した数式を、数値が大きく異なりそうな単位に分けるステップです。
ポイントは、必ず意味のある単位で分けることです。
フェルミ推定で意味のある単位とは、分けたセグメントごとに数値が異なると想定される単位です。
意味のある単位に分けるのが難しいと思われる方もいるかもしれませんが、そんなに難しく考える必要はありません。
日頃のイメ―ジや一般常識に従えばいいです。
スタバ1店舗の一日の売り上げ(店内のみ)であれば、
- 平日の朝は、仕事前のビジネスマンの利用客が多そうで、使用率も回転数も高そう
- 平日の昼は、主婦の人たちが会話する場として使っていそうで、回転数は低そう。そもそも平日の昼だし、使用率は低そう。
こんな感じでなんとなくのイメージで考えて、使用率や回転数が大きく異なりそうな朝、昼、夕、夜の4セグメントに分けます。
注意点:何も考えてないように見える切り口はやめましょう
繰り返しになりますが、面接官は考え方を評価しています。
理由なく切り分けただけでは思考停止しているように見えてしまいます。
考えているかどうかが特に分かりやすい切り口が、年齢軸です。
ちょうど区切りが良いからと意味もなく10代単位で分ける人が多いです。
ほんとは学生(6歳~20歳くらい)と社会人(20歳~60歳くらい)とかの分け方の方が適切ではありませんか?
ドキッとした方はセグメンテーションをもう少し丁寧に行ってもよいかもしれません。
やり方④数値の設定・計算
設定した基本式の項目について、セグメントごとに数値を設定し計算します。
ポイントは下記2点です。
フェルミ推定に必要な数値を覚える
日本人口など、基本式の主にベースの数値設定の際に必要になる数値は、覚える必要があります。
具体的には下記です。
日本に関する数値
引用元:戦略ファーム内定者に聞いた、フェルミ推定対策で覚えるべき数値一覧 人口:12,500万人 (2050年1億人、2060年9,000万人) 平均寿命:84歳 世帯:5,000万戸 平均世帯人数:2.5人 国土面積:38万平方キロメートル (30%平地、70%山岳地) 小学校の数:20,000校 中学校の数:10,000校 高校の数:5,000校 短期大学の数:300校 大学の数:750校 大企業の数:1.1万社 中企業の数:55万社 小企業の数:330万社 市の数:800箇所 町の数:750箇所 村の数:200箇所 給与所得者:5,000万人 平均年収:430万円 フリーター人口:200万人(若年層) フリーター平均年収:100万円)
世界に関する数値
引用元:戦略ファーム内定者に聞いた、フェルミ推定対策で覚えるべき数値一覧
- 人口:76億人 (2050年95億人、2100年112億人)
- 地球の直径:12,000km
- 地球の円周:40,000km
- 地球の表面積:5億キロ平方メートル(海70%、陸30%)
しかし、これら全てを覚えようと思うとなかなか大変です。
ですので、最低限の数値を覚えて、他の数値は推定できた方が良いです。
私は下記の数値だけを覚えて、他は推定できるようにしておきました。
- 日本人口:1億2,000万人
- 日本の世帯数:5,000万世帯
- 日本のサラリーマン平均給与:400万円
- 日本の企業数:400万社
- 国土面積:38万平方キロメートル (30%平地、70%山岳地)
- 日本の平均寿命:80歳
- 世界の人口:70億人
他の数値の推定方法は、【暗記不要】フェルミ推定の基礎数値一覧【ヒント:推定】で解説しています。
細かい計算にはこだわらない
四捨五入しながらのだいたいの計算で問題ありません。
ぶっちゃけ面接官は、大きなずれさえなければ計算ミスしていようとほぼ気づいていません。
私も、面接が終わって復習している時に、ようやく計算ミスに気付くことがありました(笑)
唯一注意すべきなのは、桁数の計算ミスです。
面接官は答えだけ聞いてその数値が現実的かどうか考えます。
桁が違うと現実性が低くなってしまうので、計算ミスを疑われます。
細かく見られてしまい、変な部分を指摘されてしまいます。
ですので、桁数の計算ミスだけは気を付けましょう。
やり方⑤現実性検証
数値が現実かどうかの確認や、計算ミスがないかの確認を行うステップです。
ただ答えを出すという意味では不要なステップです。
しかし、この記事を読んでいる方は、フェルミ推定の面接が控えている方が多いかと思います。
現実性検証は、フェルミ推定のディスカッションで頻出の突っ込みポイントですので、日ごろから現実性検証を行う癖をつけておきましょう。
実際によく面接官に突っ込まれた内容は、フェルミ推定の面接対策~面接官の突っ込みポイント~で解説してます。
この手順に従って、さっそく練習問題を解きたい方
【初心者必見】フェルミ推定の5つの手順【例題あり】の記事で、これまで解説した手順に従ってお題の解説をしています。
お題は、東京メトロのコインロッカーの1日の売上高です。
気になった方はチェックしてみてください。
フェルミ推定のやり方の面接突破に必要なスピード感
さて、フェルミ推定のやり方はわかったかと思いますが、実際の面接ではどのくらいのスピード感が求められるのでしょうか。
フェルミ推定やケースアリの面接の流れと時間配分は、下記の通りです。
- 一般質問:3分~30分
- お題提示:1分~3分
- お題を解く:0分~10分
- ディスカッション:15分~30分
- ケース等の他のお題へ:15分~45分
- 逆質問:5分~10分
ここまで説明したやり方のうち、前提確認は、「お題提示」の中で面接官と認識を合わせる必要があります。
それ以降の手順は、「お題を解く」の時間内でやる必要があります。
時間が短いと思われた方が多いと思います。
思考スピードとしては下記くらいになるのを目指してください。
お題提示の時間内で、頭の中で基本式の設定・セグメンテーションが終わっている状態
お題の難易度によりますが、これくらいの思考スピードになると、お題を解く時間が0分でも対応できるようになります。

いやいやいや・・・そんな思考スピード普通に考えて無理でしょ!
やっぱり生まれつきの地頭がいい人じゃないとダメなのか・・・なんかもう自分にはコンサルになるの無理な気がしてきた・・・
大丈夫です。
私も初めのうちは、そう思ってました。
しかし、しっかりとした練習を積んでいくことで、誰でも思考スピードは速くなります。
フェルミ推定の初心者がやり方とスピードを身に着けるのにオススメの練習方法
結論:問題を丁寧に解きましょう
始めの頃にありがちな失敗として、本番の時間を意識しすぎて、回答内容が浅くなってしまうことがあります。
スピードは後から上げればよいので、まずは、深い回答ができるように頑張りましょう。
丁寧に解く際は下記を意識してください。
- 正しい手順で解く
- 基本式を思い付きで設定せずにパターンの中から選択する
- できるだけ細かくセグメンテーションを行う
1点目と2点目については既に解説してきました。
これまでの解説内容を身にしみこませましょう。
3点目の細かいセグメンテ―ションについてですが、面接では、ディスカッションの中で、より細かいセグメントに切り分けていくことが多いです。
(実際の数値計算をすることは少なく口頭でセグメントを回答することがほとんど)
そのため、いつも浅いセグメンテーションばかりになっていると、回答は時間内に間に合っても、ディスカッションについていけなくなってしまいます。
ですので、最初のうちは特にセグメンテーションを細かく行うようにしましょう。
細かいセグメンテ―ションの例は下記です。
- 男女で切り分けたところにさらに年齢軸を追加する
- 平日と休日で切り分けたところにさらに時間軸を追加する
上記以外にもいろいろあると思います。
お題に応じて考えるようにしましょう。
フェルミ推定の初心者がやり方とスピードを身につけるのにオススメの練習問題
練習問題として、おすすめの書籍とおすすめのサイトを紹介します。
フェルミ推定の初心者にオススメの書籍
ここまで解説したやり方を身に着け、面接突破レベルにまでスピードを上げるためには、相当な問題数をこなす必要があります。
この観点で最もおすすめ書籍が、現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノートです。
有名ですので、すでに持っている方も多いと思います。
特筆すべきは、掲載されている問題数です。
- 掲載問題数:130問
- うち、解説付きの問題:30問
フェルミ推定のやり始めに重要な解説が30問もついています。
この30問を解き終っても、残り100問あるので、十分すぎる問題量です。
他に、フェルミ推定の解き方なども解説されているので、フェルミ推定初心者の必読書と言ってよいでしょう。
まだ購入していない方がいたら、必ず購入しましょう。
他のフェルミ推定の勉強にオススメの書籍は、【オススメ3選】フェルミ推定対策本【本より効率的な勉強法も解説】で解説しています。
フェルミ推定の初心者におすすめのサイト
ググるとたくさんのサイトが出てきますが、なんでも推定団がおすすめです。
某有名国立大学の工学部を卒業し、某メーカーで働いている方のブログです。
数字のセンスを磨くためにフェルミ推定を行っているそうです。
面接でも出題されそうな腕時計の市場規模や、地球の海水を飲み干すには何年かかるか?と言った変わった問題まで、全41件のお題が解説付きで掲載されています。
解説は、セグメンテーションがちょっと微妙かなとは思いますが、十分に参考になると思います。
他のコンサル転職でチェックすべきブログは、【保存版】コンサル転職でチェックすべきブログ一覧【用途別に解説】で解説しています。
また、私もフェルミ推定のお題解説記事を書いていますので、ぜひチェックしてみてください。
無料解説記事
- 東京メトロのコインロッカーの1日の売上高 *リンク先記事の中段ほどから解説
- 5年後の代用肉の市場規模
過去に面接で出たことのあるお題の解説記事(有料)
- ミネラルウォーターの市場規模(マッキンゼー、KPMGFASなど)
- 中古車の年間販売台数(Strategy&)
- 筆記用具の市場規模(BCG)
- サッカースパイクの市場規模(モニターDeloitte)
練習における注意点:毎日お題を解きましょう
解説してきた手順やパターンを体にしみこませて、スピードを上げるには、毎日お題を解くのが一番です。
本業もあって忙しいと思いますが、私は下記のようにメリハリをつけて練習することで、一日にたくさん問題を解くようにしていました。
- 練習方法①毎日1問は必ず紙に書いて解く
- 練習方法②歩いてる時や電車に乗っている時に頭の中で解く
このような日々の練習で意識すべき点やフェルミの練習と並行してやるべきことは、フェルミ推定の日常の練習方法【練習以外にやるべきことも解説】で解説していますので、気になった方はチェックしてください。

そうか。こんな感じで毎日練習したら、フェルミ推定ができるようになるんだな。早速これから毎日練習しよう!
・・・そういや、できるようになるまでにどれくらいの期間が必要なの?
次章で解説します。
フェルミ推定の初心者がやり方を身に着け面接突破できるようになるまでの期間
結論:最低3カ月です。
実際は、一日に解く問題量を増やすなどの工夫をすることで、もっと期間を短縮できるとは思いますが、
- 本業が忙しい
- 転職活動はフェルミ・ケース対策以外にもやることがある
と思いますので、負荷をかけ過ぎないようにすると3カ月は確保したが良いです。
なお、この3カ月は売り上げ拡大などのケース対策も込みの期間です。
フェルミだけに絞るともっと短いと思います。
3カ月の根拠ですが、実際に私が練習を始めてから、面接でほぼ突破できるようになるまでにかかった期間です。
私の転職スケジュールは下記のような流れで約6か月間かかりました。
フェルミ/ケース対策は、エージェントが決まってから開始して、転職活動を終えるまで続けました。
面接をだいたい突破できるようになったのは、4か月目くらいです。
特に効果のあった方法は、練習企業を何社か受けたことです。
やはり、実際の面接を体験すると得るものが大きいですし、どれくらいの回答で面接を通過するかも感覚でつかめるようになります。
このような転職活動の手順や期間は、【コンサル未経験】転職にかかる期間【流れと忙しさも解説】で解説していますので、気になった方はチェックしてみてください。
より短期間で確実に面接突破を目指したい方:コンサル転職支援サービスの活用がおすすめ
コンサル転職支援サービスとは、コンサル転職に必要な準備事項をマンツーマンでサポートしてくれるサービスです。
エージェントと異なり、求人の紹介はしてくれませんが、フェルミ/ケース対策を経験者がしてくださいます。
サービスを受けることで、フェルミ推定だけでなく、ケース問題の解き方も身に着けることができ、面接突破率が飛躍的に高まります。
中でも下記の3つがおすすめですので、気になった方は無料相談に申し込んでみてください。
ちなみに、面接で求められるスピード感を知って、自分コンサルに向いてないかも…とか考えませんでしたか?
少しでも頭をよぎった方は、本当にコンサルキャリアでいいのか一度しっかりと考えてみてもいいかもしれません。
そんな方には、キャリア戦略の構築から支援してくれるSPARK CAREERが特におすすめです。
サービス名 | 考えるエンジン | STRATEGY:BOOTCAMP(ストラテジーブートキャンプ) | SPARK CAREER |
イメージ画像 | ![]() |
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代表者 | 高松智史 | 河野 博 | 寺尾ゆきお |
代表者経歴 |
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講座名 | FOR コンサル転職対策 (他に現役コンサルの方向けのコース等もあります) |
MBB突破コース | 転職コース |
講座内容 |
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1回60分のマンツーマン講座を |
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料金 | 138,000円 | 100万円 | 150,000円 |
無料相談 | あり(30分の無料相談) | あり | あり |
無料相談URL |
フェルミ推定のやり方を身に着けて面接突破を目指そう
以上、いかがでしたでしょうか!?
コンサルへの転職は、通常の業界の選考対策に加えて、フェルミ・ケースの対策が必要になります。
苦労は大きいですが、その分、コンサルになることで、その後のキャリアの自由度が増えます。
特に若いときは、転職市場での価値は高いです。
ですので、フェルミ推定を練習してキャリアアップを目指しましょう!